解体工法における石綿対策と問題点
石綿の入った屋根材は法律で定められた工法(湿潤化工法)で解体しなければいけません。
■マスクを着けて作業
呼吸用保護具(防塵マスクまたは送気マスク等)を使用しなければなりません。 [石綿則第14条、第44条、第45条関係] ※防塵マスクは、粒子捕集効率が99.9%以上の国家検定規格(RL3フィルタ付)を使用します。使い捨て防塵マスクは使用できません。 | ![]() |
■看板・足場・養生シート等の設置
関係者以外の物が立ち入ることを禁止し、その旨を表示しなければなりません。 [石綿則第6条、第7条、第15条関係] 足場および養生シートの設置が義務付けられています。 [安衛法第21条、安衛則第519関係] | ![]() |
■湿潤化(散水・噴霧)を行う
石綿が使用されている建築物等の解体等の作業を行うときは、それらを湿潤なものとしなければなりません。[石綿則第13条関係] ※同等以上の効果を有する措置を講じたときは、この限りではありません。 | ![]() |
資料提供:愛媛県SS管理委員会様
湿潤化工法でもいくつかの問題があります。
■屋根材を湿潤化をしても石綿は飛散
屋根材の表面を濡らしても、屋根材の中にはすぐには浸透しません。浸透しない状態で釘抜きを行うと屋根材内部より削られた石綿(アスベスト)が空中に飛散します。 また、水分に残っていた石綿が乾燥したときに再飛散する可能性があります。 検証結果の詳細は各工法別石綿飛散比較をご覧下さい。 | ![]() |
■湿潤化で滑りやすくなり作業者が転倒・滑落する危険性
【検証内容】 ・体重60kgの人が、4寸勾配屋根上に上がった場合【検証結果】 ・屋根材表面が乾いている時の摩擦力は16kg ・屋根材表面が粉体湿潤時の摩擦力は0.2kg ※粉体湿潤とは土や埃等が水でオイル状にになる状態で、 雨の降り始めの路面に似た状態になります。 ・摩擦力は殆ど(99%低下)は無くなるので非常に滑りやすくなります。 | ![]() |
資料提供:石綿対策技術委員会様